からだのはたらきについて

感覚

からだは周囲の環境から絶えず様々な刺激を受け取り、それに対応し生命活動を維持しています。
刺激には光・音・におい・味・熱・圧力・痛みなどがあり、それを目・耳・鼻・舌・皮膚で受け取り、神経経路によって大脳へ送られます。
多くの場合、大脳はその刺激が適度・適当であればそれを快、過不足・不適当であれば不快な情報として受け取り感覚が生じます。
日常的には皮膚など刺激を受けたその部位自体に感覚が生じているように思われますが、実際には大脳によってそれを感じています(これを感覚の投射といいます)。

生体の恒常性

からだは外部の刺激や環境変化に対応し、内部の体液の浸透圧やpH・電解質・ガス組成・体温や血圧などを一定の状態に保つために、自律神経系・内分泌系・免疫系などの制御機構が無意識にはたらき調整しています。これを「内部環境の恒常性(ホメオスタシス)」と云います。
恒常性保持機構の失調や破綻した状態が疾病と云えます。
恒常性が破綻し病気になった場合、この機構により自分自身で生理的な健康状態に導くよう治癒機転がはたらきます。
健康の維持および病気の自然治癒はこれらの恒常性維持機構が担っていると云えます。
はり・きゅう・マッサージによる意図的な機械的刺激・温熱刺激は、自律神経系・内分泌系・免疫系に作用し恒常性保持機構の働きを促し、内部環境の失調を回復させ恒常性の平衡を取り戻させようとするものです。これが自然治癒力を高めると云われる所以です。

自律神経(系)

自律神経は、からだの循環・呼吸・消化・代謝・分泌・体温保持・排泄・生殖などを働かせ調整しています。
自分の意識には関係なく、全身に血液を送られ、酸素と二酸化炭素のガス交換が行われ、栄養が分解・吸収により体内に取り込まれ、 また、ホルモンによる調節機構である内分泌系と協調しながら、体内の変化を調節しホメオスタシスの維持にも貢献しています。
これらの機能が一般に自身のコントロールの外にあるが認識できない訳ではなく、そして、心の状態に影響を及ぼすと考えられます。
自律神経系は交感神経系と副交感神経系の相反する作用によってバランスを調整し、生体の恒常性維持のために重要な役割を果たしています。